歯科内装デザイン設計_4 クロスじゃ物足りない方へ カラーガラスでつくる上質な空間 【実例付き】-空間の考え方とその手法2-
- atsushi handa
- 8月6日
- 読了時間: 4分
今回は「カラーガラスの効果と種類」壁一面の色で印象が変わるそんなアクセントのある空間づくりにおいて、カラーガラスは、クロスや塗装では出せない質感と深みを与えてくれる素材です。
今回の歯科内装デザイン設計では、医院空間で実際に取り入れた5つの事例とともに、カラーガラスの特長や、照明との組み合わせ方、選定時のポイントをご紹介します。定番のアクセントクロスに+αの上質さを加えたいとき、空間に「透明感 × 光 × 奥行き」をもたらすヒントになれば嬉しいです。以下のような「壁の一面の色を変えてアクセントにする手法」は、内装において定番のテクニックです。

アクセントクロスは壁紙の色味によっては、ややケミカルでチープな印象になってしまうこともあります。その点、カラーガラスはクリアガラスの裏面にカラーを引いた構造のため、透明感と発色のバランスが非常に良いのが特長です。
中でも、竹松工業株式会社さんの製品はカラーバリエーションが豊富で、特に「和のカラーシリーズ」は落ち着いた色味が多く、医院空間にも自然に馴染みやすい素材です。

なんと「黒色」だけで6色も展開しているという、素材に対するこだわりも魅力。興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
それでは、実際のカラーガラス使用事例をご紹介します
ケース1_カウンターのバックにブランドカラーを表現カウンターの背面に、ブランドカラーのブルーを採用。さらに、手前に吊るしたペンダント照明の柔らかな反射をガラスに映り込ませることで、奥行きと立体感が生まれます。


ミラーよりも柔らかく、上品な写り込み
濃色系はダウンライトの光もよく映える
色の深みと透明感が調和した、美しい印象
ケース2_エントランスに光のグラデーションをエレベーターホールのエントランスでは、ホワイトとグリーンのカラーガラスを使用。マットと艶のコントラストを加えることで、空間全体に動きを持たせています。


ブランドカラーを透明感ある表現に
光の角度で色が変わるグラデーション効果
ロゴはステンレス切り文字で重厚感をプラス
ケース3_照明とガラスの対比で魅せる受付女性ドクターのクリニックでは、受付カウンターに高反射の「水鏡シリーズ」を使用。ベンチ下の間接照明のラインを際立たせると同時に、羽根型のペンダント照明の柔らかさとの質感のコントラストが印象的な空間をつくっています。


反射の強いガラスでシャープな印象に
照明との掛け合わせで奥行きを強調
女性らしさと洗練が共存するデザインに
ケース4_グレージュカラーで空間を繋ぐ受付カウンターの腰部分には、グレージュ系のカラーガラスを使用。背景の壁面タイルと、黒の荷物台との間をつなぐマテリアルとして選定しました。

マットな内装の中にツヤのアクセントを
落ち着きながらも個性のある演出が可能
ケース5_木目との相性を考えた暖色系ガラスベンチバックの壁面に、からし色の暖色系カラーガラスを使用。木目との相性を大切にしつつ、黄色が強く出すぎないよう照明バランスにも配慮しました


照明の当たり方で表情が変わる
目地には金色を使い、上品で和に寄りすぎない印象
深みのある美しい色味が実現
カラーガラス使用の3つの基本ポイント
1_素材の「映り込み」を計算に入れる→ 空間の動線や照明の配置とセットで考えましょう
2_照明によって色の見え方が変わる→ 必ず、自然光下でも色確認を行いましょう
3_分割位置とバランスに注意→ ガラスの特性上、分割のラインや目地棒のデザインも大切な要素になります
カラーガラスは、色の持つ力とガラスならではの素材感を活かし、医院空間に奥行きや気品、そして個性を与えることができるマテリアルです。
クロスや塗装では出せない、「透明感 × 光 × 深み」のある表現を取り入れて、より魅力的で印象に残る空間づくりにチャレンジしてみてください。
次回は、空間の使い方に奥行きとリズムを与えるパーテーションデザインについて、実例とともにご紹介します。
医院設計ならではの視点で、機能性と美しさを両立させた手法をご提案します。
Good design, good practice, great beginning.
それでは今日も「開業日和」で。
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